健康保険に加入できる家族とは

被扶養者になるための条件

1.被扶養者の範囲に含まれていること。

2.収入の基準に該当していること。

3.認定対象者が主として被保険者により生計を維持していること。

4.原則、日本国内に住所を有していること。

5.認定対象者が、被保険者資格要件を満たしていないこと。

 

健康保険の被扶養者になるには、上記1~5の条件を全て満たしていることが条件となります。

必要書類を添付し事業主を経由して当組合に届出を行ってください。

これらを総合的に判断し、当組合が認定します。

 

上記1~5の条件を満たしているかに加え、

被保険者には、継続的に認定対象者を養う経済的扶養能力があるか、

被保険者より上位の優先扶養義務者(※)がいる場合には、その優先扶養義務者には扶養能力がなく、

被保険者がその家族を扶養せざるを得ない理由があるか等を総合的に判断し、当組合が認定します。

 

※民法 第877条(扶養義務者)、第878条(扶養の順位)

 

 

 

被扶養者資格チェック表







被扶養者の範囲

被保険者(従業員)と同居でも別居でもよい人

  • 被保険者の配偶者(事実上の婚姻関係と同様の内縁関係を含)
  • 従業員の子、孫および兄姉弟妹
  • 従業員の父母、祖父母、曽祖父母

被保険者(従業員)と同居していることが必要な人

  • 左記以外の3親等内の親族(従業員の伯叔父母、甥姪とその配偶者の父母、連れ子等)
  • 従業員の内縁関係にある配偶者の父母と子

 

収入の基準

①扶養する家族の収入の基準

60歳未満

加入させたい家族の収入が下記2点を全て満たしていることが条件

①被保険者の年間収入の2分の1未満であること
②加入させたい家族の年間収入が130万円未満であること

※生活補償を目的とした各種給付金(失業給付、出産手当金、育休手当、傷病手当金等)を
   受給している場合

①受給金額が日額3,612円未満であること

60歳以上又は
障害年金受給者

加入させたい家族の収入が下記2点を全て満たしていることが条件

①被保険者の年間収入の2分の1未満であること
②加入させたい家族の年間収入が180万円未満であること

※生活補償を目的とした各種給付金(失業給付、出産手当金、育休手当、傷病手当金等)を
   受給している場合

①受給金額が日額5,000円未満であること

対象となる収入について

・ 給与収入(賞与・一時金、交通費等)
・ 雇用保険の失業給付(基本手当、傷病手当等)
・ 各種年金収入(国民年金、厚生年金、企業年金、個人年金、共済年金、障害年金、遺族年金、各種恩給、
    労災年金(介護保険料等控除前の総支給額))
・ 事業収入(自営業、農業、漁業に基づく収入、保険の外交等自由業に基づく収入、
    土地、家屋、駐車場等の賃貸収入等)
・ 雑収入(原稿料、印税、講演料等)
・ 利子・配当収入(継続性のあるものに限る)
・ 健康保険の傷病手当金、出産手当金
・ 労災保険の休業(補償)給付、傷病(補償)年金、その他給付金
・ 被保険者以外の者からの仕送り(生活費、養育費等)
・ その他継続性のある収入

 

年間収入の定義について

扶養追加を希望する日からの向こう1年間の収入見込みにより判断します。

 

退職金について

退職(退職した月内)に一括で受け取った場合は、将来に向けての収入がないものとして認定しますが、
退職年金や、企業年金等、退職後分割で受け取る場合については、分割回数・金額を確認し、基準額を超えた場合は不認定となります。

 

自営業について

自営業の収入額は確定申告書(税法上)の「所得金額」と判断せず、原則的に「売上額」から「仕入額」を差し引いた額と考えます。
確定申告の「所得金額」は必要経費等の税法上の控除がされており、例えば 「減価償却費」は更なる売上向上を目指すための先行投資/設備投資的な性格を有するものであり、あくまで一時的な支出と捉え「収入額」から控除しないで考えます。
また店舗と住まいが一緒である場合、「家賃」「水道光熱費」「通信費」等の項目が、店舗分と住まい分も含まれているものと判断します。

 > 詳細はこちらをご確認ください。

 

失業給付の受給について

失業給付は、失業した場合に労働者の生活の安定を図ることを目的としています。従って、失業給付中ということは、法による生活保障が行われた上で、早く適職を得て就職する事を目的に支給されているようなものであることから、受給期間中は 健康保険の扶養に入ることができません。但し、受給額が少額で被保険者によって主として生計を維持しているものと確認出来た場合は扶養認定します。

給付日額 ×  360 日 = 年間見込収入

例)
60 歳未満:給付日額 3,612 円( 360 日 /130 万円)以上ならば認定対象外
60歳以上:給付日額 5,000 円( 360 日 /180 万円)以上ならば認定対象外

また給付日額が上記基準額を超えた場合であっても、待機期間中や受給終了後継続して無職の場合は 翌日より認定致します。

 

②仕送り額の基準

右記3つに当てはまっていることが前提

仕送りをしていること

※直近3ヶ月の実績を確認しますので、下記いずれかの書類を提出
(1)金融機関の振込証明書(振込み相手のわかる通帳の写し等)
(2)現金書留の控え等

被保険者の仕送り額より加入させたい家族の収入の方が低いこと

例) 加入させたい家族(一人)の収入が100万円の場合
⇒100万÷12ヶ月=83,333円   仕送り月84,000円以上(一人当たり)

送金が被扶養者への生計維持に必要であり、送金後の収入額で被保険者及び他の被扶養者の生活が成り立っていること

 

別居の家族を扶養申請する場合の仕送りについて

扶養の収入要件を充たしている方で毎月定期的にその仕送りが送られているかどうかを判断基準とします。
また、被保険者の仕送り額より対象別居者の収入が低いことが条件となります。額面で7万円以上/直近3ヶ月以上の実績を確認します。
例)年金収入が年間で100万円ある別居の父親に対する仕送り額
100万円÷12ヶ月=83,333円 仕送り額=月8万4千円以上
※別居の義父母は扶養できません。
仕送額確認証明は現金書留の控や、金融機関の振込証明書(振込み相手のわかる通帳の写し等)のいずれかとし、手渡しは不可とします。

 

 

夫婦共働きの場合(夫婦共同扶養)

夫婦共働きで、ともに健康保険に加入している場合、被扶養者は以下の基準で認定します。

 

    1. 年間収入(過去、現時点、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだもの)が多い方の
          被扶養者とする。
          ※ 出産手当金、育児休業給付金等の収入も見込額(年間)に含む
    2. 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合、
          主として生計を維持する者の被扶養者とする。
    3. 主として生計を維持する者が育児休業等を取得した場合、
          当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととする。
          ただし、新たに誕生した子については、改めて上記1又は2の認定手続きを行うこととする。

 

 

国内居住の要件について

2020年4月1日から、健康保険法の改正により被扶養者認定に際して「日本国内に住所を有するもの」であることが要件として追加されます。
 

国内居住要件の考え方について

改正法による改正後の健康保険法第3条第7項に定める「住所」については、住民基本台帳に住民登録されているかどうか(住民票があるかどうか)で判断し、住民票が日本国内にある者は原則、国内居住要件を満たすものとする。このため、例えば、当該被扶養者が一定の期間を海外で生活している場合も、日本に住民票がある限りは、原則として国内居住要件を満たすこととなる。

 

国内居住要件の例外となる方

 外国に一時的に留学をする学生、外国に赴任する被保険者に同行する家族等の一時的な海外渡航を行う者については、日本国内に住所がないとしても、日本国内に生活の基礎があると認められる者とする。

(1) 外国において留学をする学生

(2) 日本からの海外赴任に同行する家族

(3) 海外赴任中の身分関係変更により新たな同行家族とみなすこができる者

(4) 観光・保養やボランティアなど就労以外の目的で一時的に日本から海外に渡航している者

(5) その他日本に生活基礎があると認められ特別な事情があると認められる者